ミヤコグサはアジアの温帯に分布する野生種であるが、様々な環境に適応するために幅広い遺伝変異が存在すると考えられる。
現在、Legume Base が管理・配布を行っているアクセションは
日本大学の青木らが 1998 年に一元化しアクセション番号を付与した系統群である。
2004 年 12 月現在、増殖を行っている系統数は 91 系統で採取地は北海道から沖縄まで幅広く分布している。
これらのアクセションの中にはマメ科牧草としての有用性を評価することを目的として帯広畜産大学の嶋田 (1979) および農水省ジーンバンク事業 (1981) により収集された系統、
またモデル植物としての再評価に伴い 1996 年から川口、青木らにより収集された系統などが含まれている。
一部のアクセションの形態および生態学的な評価は板谷 1 ) と杉信ら 2 ) によりすでに行われている。
板谷らは16 系統のアクセションを比較し、寒冷地のアクセションは耐寒性が高く、秋期に生長が抑制され、温暖地のアクセションは生育期間全般にわたり生育が旺盛であることを明らかにした。
杉信らは66 系統のアクセションを比較し、高緯度の系統は葉色及び茎の紫色が濃く、株重が重い傾向にあり、標高の高い地点から収集した系統は草丈が低く、茎重が軽く、開花期が遅い傾向があることを指摘している。
本データベースでは採種地の地点・気象情報の他に、宮崎県宮崎市 ( 北緯 31 度、東経 131 度 ) および北海道札幌市 ( 北緯 43 度、東経 141 度 ) で評価した形態データからアクセションの検索を行うことができる。
また、ミヤコグサ由来SSR(Simple sequence repeat) マーカーによる多型情報からの検索についても順次更新を行っている。
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1) 板谷守( 1882 )ミヤコグサ ( Lotus corniculatus var.japonica Regal) の種生態学的研究 . 帯広畜産大学大学院修士論文 .
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2) 杉信ら( 1988 )ミヤコグサ ( Lotus corniculatus L.var.japonicus Regel) の特性評価 . 3.収集地を異にするミヤコグサの特性比較.日草誌 34(1):13-19 .
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